「mas que nada」について

「mas que nada」は、ブラジルの音楽家ジョルジ・ベンが1963年に発表したボサノヴァの曲です1。この曲は、ブラジルの伝統的なリズムであるマラカトゥやサンバを取り入れたもので、ブラジルの黒人文化を表現しています2。曲名の「mas que nada」は、ポルトガル語で「まさか」「なんてこった」「やなこった」などという意味で、不満や驚きを表すスラングです1。歌詞は、サンバに夢中になって踊りたい男性が、邪魔をする女性に対して「勘弁してくれよ」と言っている内容です2

セルジオ・メンデスによるカバー

「mas que nada」は、1966年にセルジオ・メンデスが率いるグループ「セルジオ・メンデス&ブラジル’66」がカバーしたことで、世界的に有名になりました1。このグループは、ブラジル出身のセルジオ・メンデスとアメリカ人の女性ボーカル2人からなり、ブラジル音楽を西洋風にアレンジして人気を博しました3。彼らのバージョンでは、女性ボーカルがポルトガル語で歌っていますが、実は彼女たちはポルトガル語を話せなかったそうです4。それでも発音は非常に正確で、ブラジル人でも外国人だと気づかないほどだったと言われています4。この曲は、ビルボードチャートで4位にランクインするなど大ヒットしました3。また、映画やCMなどでも多く使われています5

その他のカバー

「mas que nada」は、多くのアーティストによってカバーされています。例えば、エラ・フィッツジェラルドやディジー・ガレスピーなどのジャズ界の大御所がこの曲を取り上げたこともあります6。また、2006年にはヒップホップグループのブラック・アイド・ピーズがセルジオ・メンデスとコラボレーションしてリメイクしたバージョンが発表されました7。このバージョンでは、英語とポルトガル語が混ざった歌詞になっており、現代的なサウンドに仕上がっています7。日本でも、「マシュ・ケ・ナダ」という邦題で知られており、ザ・ピーナッツや小野リサなどが歌っています8。また、「由紀さおり&ピンク・マティーニ」という日米コラボレーションのグループもこの曲をカバーしています。

まとめ

「mas que nada」は、ブラジル音楽の代表曲のひとつであり、ジョルジ・ベンが作詞作曲したボサノヴァの曲です。セルジオ・メンデス&ブラジル’66がカバーしたことで世界的に広まり、その後も多くのアーティストによって様々なスタイルで再解釈されています。この曲は、ブラジルの黒人文化やサンバの情熱を感じさせる曲であり、今でも多くの人々に愛されています。