テクノ音楽の「East New York Ensemble」とは、1970年代にニューヨークのブルックリンで活動したジャズ・グループのことです。彼らはスピリチュアル・ジャズやレア・グルーヴと呼ばれるジャンルに分類されます。スピリチュアル・ジャズとは、アフリカや東洋の音楽や宗教に影響を受けた自由で実験的なジャズのことで、レア・グルーヴとは、希少性や独自性が高いファンクやソウルなどの黒人音楽のことです。
メンバーと作品
「East New York Ensemble」のメンバーは、以下の通りです2。
- ハッサン・ハーヴィー(Hassan Harvey):ヴァイオリン、ヴォーカル
- カシム・ウバイドゥラー(Qasim Ubaindullah):ドラムス
- ジェームズ・スミス(James Smith):ベース
- ボビー・ハーヴィー(Bobby Harvey):コンガ
- ジャマール・ハーヴィー(Jamal Harvey):フルート
彼らは1974年に「At The Helm」というアルバムを発表しました。このアルバムは、Folkways Recordsというレーベルからリリースされました。Folkways Recordsは、世界各地の民族音楽や伝統音楽を収録したレコードを多数発表したことで知られるレーベルです3。「At The Helm」には、以下の6曲が収録されています2。
- Ti-Ti
- Bent-el-Jerusalem
- Salat Anbi
- Mevlana
- Little Sunflower
- Luna
これらの曲は、アフロや中東のリズムやメロディーを取り入れたオリジナル曲や、フレディ・ハバードやデューク・エリントンなどのジャズの名曲をカバーした曲です。特に「Ti-Ti」は、テクノ音楽の原型とも言えるシンセサイザーやエレクトロニック・ドラムを使用した曲で、当時としては斬新なサウンドでした。
評価と影響
「East New York Ensemble」は、当時はあまり注目されなかったグループでしたが、後にDJやサンプラーたちによって再発見されました。特に「Ti-Ti」は、テクノ音楽やエレクトロニカなどの先駆的な作品として高く評価されました。「At The Helm」は、2004年にCD化されて再発売されました。また、2010年にはオリジナル盤と同じ仕様でアナログ盤が限定リリースされました。「East New York Ensemble」は、テクノ音楽の歴史において重要な役割を果たしたグループと言えるでしょう。
参考文献
1: スピリチュアル・ジャズとは?レア・グルーヴとは? 2: East New York Ensemble de Musicの楽曲一覧-人気順 3: East New York Ensemble De Music (イーストニューヨークアンサンブルデミュージック) – HMV&BOOKS online : East New York Ensemble De Music – Ti-Ti : AT THE HELM! | East New York Ensemble De Music | CDJournal : AT THE HELM (LP) | East New York Ensemble De Music | ディスクユニオン・オンラインショップ