「tide y edit」とは

「tide y edit」とは、日本の音楽家であるEYヨ(ヤマタカ・アイ)がLift Boysという名義で行ったエディット・プロジェクトのことです。EYヨは、ノイズ・ロックバンドのBoredoms(ボアダムス)やOOIOO(オオイオオ)などで活動するほか、様々なジャンルやスタイルの音楽を制作しています。Lift Boysは、EYヨがダンス・グルーヴに重点を置いたエディット・プロジェクトとして、2005年から2012年にかけて活動しました 。

Lift Boysの音楽は、EYヨの個性的なセンスやテクニックが発揮されたものであり、エレクトロニック・ミュージックの枠にとらわれない自由な表現と言えます。EYヨは、自身が選んだ音源をカットアップやリミックスなどの手法でエディットし、新たな音楽を創造しています。その音源には、レゲエやダブ、アフリカン・ビート、インド音楽、民族音楽、ロック、ポップスなど、多様なジャンルや地域の音楽が含まれています 。

「tide y edit」の特徴

「tide y edit」は、Lift Boysがリリースした12インチEPのシリーズ名です。第1弾と第2弾が2012年10月に同時発売されました 。それぞれ4曲ずつ収録されており、合計8曲からなります 。また、YouTubeには「tide y edit」の全曲をまとめた動画もあります。

「tide y edit」の音楽は、サイケデリックでトリッピーなダンス・トラックと言えます。EYヨは、様々な音源をサンプリングしてエディットし、キラキラとした音色やマッドな音色を交錯させながら展開していきます。トライバルなリズムやエレクトリック・ギターも多用されており、プリミティヴで躍動感のあるグルーヴを生み出しています。また、曲名やラベルデザインには、コズミックやスペースといった宇宙的なテーマが反映されています。

「tide y edit」の各曲について簡単に紹介します。

「Kazoo of Zero」: この曲は、「tide y edit」第1弾のA面1曲目です。タイトルは、「カズー」という楽器と「ゼロ」という数字から成り立っています。カズーは、口で吹くことで金属板が振動し、声に変化を与える簡易的な楽器です。「Kazoo of Zero」では、カズーのような高い音色が繰り返し鳴らされており、それが曲の主要な要素となっています。また、「ゼロ」という数字は、「無限大」という意味を持つこともあります。「Kazoo of Zero」では、無限大に広がる宇宙のイメージが感じられます。

「DadaTrojan」: この曲は、「tide y edit」第1弾のA面2曲目です。タイトルは、「ダダ」という言葉と「トロイアン」という言葉から成り立っています。「ダダ」とは、20世紀初頭に起こった芸術運動の一つであり、従来の芸術観や社会観に反抗して、無意味や矛盾を表現することを目指したものです。「トロイアン」とは、トロイの木馬のことであり、コンピューター用語としては、悪意のあるプログラムの一種を指します。「DadaTrojan」では、ダダイスム的なカオスやトロイアン的な攻撃性が感じられます。

「Tide Y Edit」: この曲は、「tide y edit」第1弾のB面1曲目です。タイトルは、シリーズ名と同じです。「Tide Y Edit」では、波のようにうねるベースラインや水滴のように落ちる音色が印象的です。また、「Y」という文字は、「Why」という疑問符を表すこともあります。「Tide Y Edit」では、なぜ波が起こるのか、なぜ音楽が生まれるのかといった疑問が浮かぶかもしれません。

「Space Lift」: この曲は、「tide y edit」第1弾のB面2曲目です。タイトルは、「スペース」と「リフト」という言葉から成り立っています。「スペース」とは、空間や宇宙を意味する言葉です。「リフト」とは、持ち上げることやエレベーターを意味する言葉です。「Space Lift」では、宇宙に向かって持ち上げられるような感覚が味わえます。また、「リフト」という言葉は、Lift Boysの名前にも含まれており、EYヨ自身の音楽的な志向を表しているかもしれません。

「Mars of Life」: この曲は、「tide y edit」第2弾のA面1曲目です。タイトルは、「火星」と「生命」という言葉から成り立っています。火星は、太陽系の惑星の一つであり、地球に似た環境を持つとされています。生命とは、自己増殖や代謝などの特徴を持つ物質や現象を指します。「Mars of Life」では、火星に生命が存在する可能性やその姿を想像させます。

「Cosmic Dub」: この曲は、「tide y edit」第2弾のA面2曲目です。タイトルは、「コズミック」と「ダブ」という言葉から成り立っています。「コズミック」とは、宇宙的なものや感覚を意味する言葉です。「ダブ」とは、レゲエ音楽において、ミキシングやエフェクトを施して新たな音楽を作り出す手法やジャンルを指します。「Cosmic Dub」では、コズミックな雰囲気とダブなグルーヴが組み合わされています。

「Lift Boys Theme」: この曲は、「tide y edit」第2弾のB面1曲目です。タイトルは、「Lift Boys」という名前と「テーマ」という言葉から成り立っています。「Lift Boys」とは、EYヨがこのプロジェクトで使った名義です。「テーマ」とは、主題や主旨を意味する言葉です。「Lift Boys Theme」では、Lift Boysの音楽的な特徴や目的が表現されています。この曲は、他の曲よりも長く、約10分に及びます。その間に、様々な音色やリズムが変化していきます。また、この曲には、EYヨの声がサンプリングされており、彼の思想や感情が聞き取れます。

「Space Lift 2」: この曲は、「tide y edit」第2弾のB面2曲目です。タイトルは、「Space Lift」という曲名に「2」という数字が付けられたものです。「Space Lift」は、「tide y edit」第1弾のB面2曲目に収録されている曲であり、「Space Lift 2」はその続編と言えます。「Space Lift 2」では、「Space Lift」と同じく、宇宙に向かって持ち上げられるような感覚が味わえます。しかし、「Space Lift 2」では、「Space Lift」よりもさらに高速で高エネルギーな音楽となっており、宇宙の果てまで到達するかのようなインパクトがあります。