Vakula(ヴァクラ)は、ウクライナ出身の音楽プロデューサーで、ディープハウスやテクノなどのジャンルを横断した個性的な作品を発表しています。彼は2009年から2012年までに20枚以上のシングルをリリースし、その多くが瞬く間に完売するほどの人気を集めました。彼の音楽は、ミステリアスなアンビエント感やフリーキーなシンセサイザー、プリミティブでヒプノティックなリズムなどが特徴で、ここ数年で頭角を現したアーティストの中でも別格の存在と言えます。
You’ve Never Been To Konotopとは
You’ve Never Been To Konotop(ユーヴ・ネヴァー・ビーン・トゥ・コノトプ)は、Vakulaが2013年に発表したアルバムで、彼が2009年から2012年までに制作した未発表曲12曲を収録したものです。タイトルのKonotop(コノトプ)は、ウクライナの都市で、Vakulaの故郷でもあります12。このアルバムは、イギリスのレーベルFirecracker Recordingsから3枚組のLPとCDでリリースされました。また、日本ではMusic 4 Your Legsから国内仕様盤が発売されました34526。
アルバムの内容
このアルバムは、Vakulaの多彩な音楽性を表現した作品と言えます。ジャズやソウル、エレクトロニカやテクノなどの要素が混在し、時に実験的で時にダンサブルなトラックが展開されます。アルバムの冒頭を飾るJazz Mutantsは、ジャズのサンプルやブレイクビーツを組み合わせたカオスなナンバーです。New Romanticは、80年代のニューロマンティックスを彷彿とさせるシンセポップ風の曲です。We Have Soulは、ファンキーなベースラインとソウルフルなボーカルが印象的なディープハウスです。Mama Said Go Slowは、日本人詩人の高橋源一郎の朗読がフィーチャーされたアンビエントなトラックです。Sleepy Visionは、夢幻的なメロディとドローンが重なる宇宙的なナンバーです。Hope Soon To Be Thereは、エレクトロニカとジャズが融合した美しい曲です。In My Headは、ダビーでグルーヴィーなテクノです。Wasは、ピアノとストリングスが奏でるメランコリックなインストゥルメンタルです。Exp Technoは、その名の通り実験的なテクノです。For Juju & Jordashは、Vakulaが敬愛するデュオJuju & Jordashに捧げたトライバルなハウスです。You’ve Never Been To Konotopは、タイトルトラックであり、Vakulaの故郷へのオマージュとも言えるエキゾチックな曲です。Still Timeは、アルバムの最後を締めくくるダウンテンポなトラックです1782。
アルバムの評価
このアルバムは、音楽評論家やリスナーから高い評価を受けました。タワーレコードのレビューでは、「全身をマッサージするように異次元へと飛ばしてくれる音響ハウス~ビートダウンの愉楽」と評されました2。また、Spotifyでは、このアルバムが収録されたプレイリストが多数作成されており、Vakulaの人気の高さがうかがえます78。このアルバムは、Vakulaの才能と個性を存分に発揮した傑作と言えるでしょう。