音楽の「joakim the studio venezia sessions」とは、フランスのエレクトロニック・ミュージシャンであるジョアキムが、2017年にヴェネツィア・ビエンナーレで展示されたインスタレーション作品「スタジオ・ヴェネツィア」で録音した即興演奏のアルバムです1。この文章では、このアルバムの制作背景、内容、評価について解説します。
制作背景
「スタジオ・ヴェネツィア」は、フランスの現代美術家であるザビエ・ヴェイヤンが、2017年のヴェネツィア・ビエンナーレのフランス館で発表したインスタレーション作品です2。この作品は、木材と金属で構成された抽象的な彫刻と、その中に設置されたレコーディング・スタジオからなります2。レコーディング・スタジオには、珍しい楽器やシンセサイザーが備えられており、ビエンナーレ期間中に約100人の音楽家が招待されて即興演奏を行いました2。その様子は、彫刻の一部として設置されたスピーカーから流れるとともに、インターネット上でもライブ配信されました2。
ジョアキムは、このプロジェクトに参加した音楽家の一人であり、2017年11月10日から11月12日までの3日間、「スタジオ・ヴェネツィア」で録音を行いました1。彼は、このプロジェクトについて、「音楽家が自分の曲を持ち込んだり、事前にリハーサルをしたりすることはなく、すべてがその場で生まれる」と語っています2。また、「スタジオ・ヴェネツィア」では、観客や他の音楽家との交流も重要な要素であり、「誰かが入ってきて一緒に演奏したり、話しかけたりすることもあった」と述べています2。
内容
「joakim the studio venezia sessions」は、ジョアキムが「スタジオ・ヴェネツィア」で録音した即興演奏の中から選んだ12曲を収録したアルバムです1。このアルバムは、2018年6月15日にデジタル配信と限定版のLPレコードでリリースされました13。各曲のタイトルは、「(色)(名前, 国)」という形式になっており、「色」はその曲の雰囲気を表し、「名前, 国」はその曲に関わった観客や音楽家の名前と国籍を示しています12。
このアルバムでは、「スタジオ・ヴェネツィア」に備えられた様々な楽器やシンセサイザーが使われており、それらが織りなす音色やテクスチャーが魅力的です24。例えば、「Orange (Katie, USA)」では、オンド・マルトノという電子楽器がメロディーを奏で、「Innuendo (Francisco, Spain)」では、ブックラ・ミュージック・イーゼルというシンセサイザーがリズムを刻みます12。また、「Dream (Roberta, Italy)」では、バシェ・クリスタルという金属製の楽器が美しい響きを響かせます12。
このアルバムの音楽は、ジョアキムの代表作である「Monsters and Silly Songs」や「Tropics of Love」などのエレクトロニック・ポップとは異なり、より実験的で即興的な性格を持っています24。しかし、その中にもジョアキムの持つメロディーセンスやグルーヴ感が感じられ、彼の音楽的な幅の広さを示しています24。
評価
「joakim the studio venezia sessions」は、音楽メディアや批評家から高い評価を受けました45。Boomkatというオンライン・レコード・ストアでは、「クラスターのコズミック・クラシックスに影響を受けた、牧歌的なシーンからクランキーなテクノまでを巡る、素晴らしい即興演奏」と紹介されました2。また、Apple Musicでは、「ジョアキムの多才さと創造力を証明する、ユニークで魅力的なアルバム」と評されました5。
このアルバムは、ジョアキム自身にとっても特別な意味を持っています2。彼は、「スタジオ・ヴェネツィア」での経験について、「自分の音楽に新しい視点を与えてくれた」と語っており、「このアルバムは、その記録であり、思い出であり、感謝の気持ちでもある」と述べています2。
まとめ
音楽の「joakim the studio venezia sessions」とは、ジョアキムが「スタジオ・ヴェネツィア」というインスタレーション作品で録音した即興演奏のアルバムです。このアルバムでは、様々な楽器やシンセサイザーが使われており、実験的で多彩な音楽が展開されます。このアルバムは、音楽メディアや批評家から高く評価されました。また、ジョアキム自身もこのプロジェクトに深い感動と感謝を抱いています。このアルバムは、ジョアキムの音楽的な冒険心と創造力を表現した作品と言えるでしょう。