「闇バイト」とは、SNSやインターネット掲示板などで短期間で高収入が得られると誘う非合法な仕事のことである。最近では、特殊詐欺や強盗などの犯罪に関与する「闇バイト」が多発しており、警察庁は対策を強化している。しかし、なぜ「闇バイト」に応募する人が増えているのか、その背景にはどのような問題があるのか、この記事では考察してみたい。
「闇バイト」に応募する人の動機
「闇バイト」に応募する人の動機はさまざまだが、共通しているのは「お金に困っている」ということである。日刊ゲンダイDIGITALの記事によると、「闇バイト」に応募する人の背景には日本の貧困化が潜んでいると指摘されている。例えば、以下のようなケースが挙げられている。
- 借金があり闇バイトに応募した無職の女（21）
- ギャンブルで金がなく、SNSで闇バイトを探して応募した職業不詳の男（44）
- 現役世代の相対的貧困率が高い15～19歳や20～24歳などの若者
これらの人たちは、正規の仕事では十分な収入を得られなかったり、生活費や借金返済に追われたりしており、「闇バイト」で簡単に稼げるという誘惑に乗ってしまったと考えられる。しかし、「闇バイト」はリスクと報酬の天秤が釣り合わないものであり、逮捕されたり、暴力や脅迫を受けたりする可能性が高い。また、「闇バイト」に応募したことで個人情報を漏らしてしまうと、報復を恐れて指示に逆らえなくなったり、他の犯罪グループに売られたりする危険もある。
「闇バイト」を防ぐために必要なこと
「闇バイト」を防ぐためには、まずはその存在や危険性を広く知らせることが重要である。特に若者や非正規雇用者など、貧困や不安定な生活に陥りやすい層に対しては、教育や啓発活動を行う必要がある。また、「闇バイト」に応募する人たちが抱える経済的な困難を解決するためには、社会全体で貧困問題に取り組むことが求められる。具体的には、
- 最低賃金や社会保障制度の充実
- 非正規雇用者の待遇改善や正規雇用への移行支援
- 借金や生活困窮者への相談や支援の拡充
- 教育や就労機会の均等化
などの施策が考えられる。これらの施策は、単に「闇バイト」を防ぐだけでなく、社会的に弱い立場にある人たちの生活を安定させ、人権や尊厳を守ることにもつながる。
おわりに
「闇バイト」は、貧困や不安定な生活に苦しむ人たちを犯罪に巻き込む悪質な仕事である。その背景には、日本社会の貧困化や格差があると考えられる。この問題を解決するためには、社会全体で貧困問題に取り組み、正規の仕事で十分な収入を得られるようにすることが必要である。また、「闇バイト」の存在や危険性を広く知らせることも重要である。安易に「闇バイト」に応募するのは絶対にやめてほしい。
